趣味・生きがい

定年後に趣味を持つ人はなぜ健康で長生きなのか|心と体を元気にする7つの理由

定年後に趣味を持つ人はなぜ健康で長生きなのか|心と体を元気にする7つの理由

「定年後は、自由な時間をゆっくり楽しみたい」

現役時代には、そう考えていた方も多いのではないでしょうか。

しかし、実際に仕事を辞めてみると、

  • 毎日することがない
  • 曜日の感覚がなくなった
  • 人と話す機会が減った
  • 外出する理由がなくなった
  • 一日中テレビを見て過ごしている
  • 自分が必要とされていない気がする

といった悩みを感じることがあります。

仕事をしていた頃は、職場へ行くだけでも、

  • 決まった時間に起きる
  • 身支度をする
  • 通勤で体を動かす
  • 人と会話する
  • 課題を考える
  • 誰かから必要とされる

という多くの刺激がありました。

定年後は、これらの機会が一度に減ることがあります。

そこで大切になるのが、趣味を持つことです。

趣味は、単なる暇つぶしではありません。

趣味の内容によっては、

  • 体を動かす
  • 頭を使う
  • 人とつながる
  • 感情を表現する
  • 生活に予定をつくる
  • 小さな目標を持つ
  • 自分の役割を見つける

という複数の働きがあります。

WHOは、健康的に年齢を重ねることを、病気がまったくない状態ではなく、本人が価値を感じることを行い続けられる機能や環境を保つこととして説明しています。趣味を楽しめることは、この「自分が大切にすることを続ける」という考え方にもつながります。

この記事では、定年後に趣味を持つ人が健康的に暮らしやすい理由、趣味と長寿の関係、自分に合う趣味の探し方をわかりやすく解説します。

趣味を持つ人は本当に健康で長生きなのか

趣味を持つ人に、健康状態や生活満足度が良好な傾向が見られることは、複数の研究で報告されています。

日本の地域在住高齢者を対象とした研究では、趣味や生きがいを持つことが、長寿だけでなく健康寿命とも関係する可能性が示されました。また、身体活動を伴うグループ型の余暇活動への参加と死亡リスクの低下との関連を報告した研究もあります。

ただし、ここで注意したいのは、

趣味を始めれば、必ず病気を防げるわけではない

ということです。

趣味を楽しめる人は、もともと健康状態が良かったり、経済的・時間的な余裕があったりする可能性もあります。

そのため、趣味と長寿の関係を単純な原因と結果だけで説明することはできません。

一方で、趣味が、

  • 身体活動
  • 認知的な刺激
  • 社会参加
  • ストレス対策
  • 生活リズム
  • 生きがい

を生み出すことは、健康的な生活をつくるうえで大きな意味があります。

つまり、趣味そのものが特別な薬になるのではなく、趣味を通じて健康を支える行動が自然に増えると考えるとわかりやすいでしょう。

趣味が健康を支える7つの理由

定年後の趣味には、心と体の両方を支える働きがあります。

主な理由は次の7つです。

  1. 自然に体を動かす機会が増える
  2. 脳に新しい刺激が入る
  3. 人との交流が増える
  4. ストレスや孤独感をやわらげる
  5. 生活リズムが整う
  6. 達成感と自己肯定感が生まれる
  7. 生きがいと役割につながる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

理由① 自然に体を動かす機会が増える

趣味の中には、体を動かすものが多くあります。

例えば、

  • ウォーキング
  • 登山
  • 園芸
  • 家庭菜園
  • ゴルフ
  • 水泳
  • サイクリング
  • 旅行
  • 写真撮影
  • ダンス
  • 釣り
  • 街歩き

などです。

運動として意識していなくても、趣味を楽しむために、

  • 外へ出る
  • 歩く
  • 立つ
  • 荷物を運ぶ
  • 手足を動かす
  • 姿勢を保つ

という活動が増えます。

「運動しなければ」より続けやすい

健康のために毎日歩こうと思っても、歩くこと自体が目的では長続きしない方もいます。

しかし、

  • 季節の花を撮影する
  • 図書館まで歩く
  • 神社や史跡を巡る
  • 畑の様子を見に行く

という目的があれば、歩くことが苦痛になりにくくなります。

趣味が目的となり、運動がその手段になるためです。

 座りっぱなしを防ぎやすい

定年後に外出や家事が減ると、長時間座って過ごしやすくなります。

園芸、料理、木工、釣り、写真などの趣味があれば、立ったり移動したりする時間が自然に増えます。

ただし、読書、囲碁、手芸、動画鑑賞などの座って行う趣味では、30分から1時間ごとに立ち上がるなどの工夫も必要です。

運動量は体力に合わせる

趣味が健康に良いからといって、急に激しい運動を始める必要はありません。

持病、膝や腰の痛み、心臓や呼吸器の病気がある方は、医師などに相談しながら安全な範囲で始めましょう。

大切なのは、疲れ果てるまで行うことではなく、翌日も続けられる程度に楽しむことです。

理由② 脳に新しい刺激が入る

新しい趣味を始めると、脳はさまざまな働きを使います。

例えば、写真を趣味にすると、

  • 撮影場所を調べる
  • 構図を考える
  • カメラを操作する
  • 光の状態を判断する
  • 撮った写真を整理する
  • 人に見せる文章を書く

といった作業が生まれます。

楽器であれば、

  • 楽譜を見る
  • 音を聞く
  • 指を動かす
  • リズムを取る
  • 曲を覚える

という複数の活動を同時に行います。

「考える・覚える・工夫する」が増える

脳に刺激を与える趣味には、次のようなものがあります。

  • 読書
  • 囲碁・将棋
  • 楽器
  • 語学
  • パソコン
  • スマートフォン
  • 料理
  • 俳句
  • 絵画
  • 写真
  • 旅行計画
  • 資格学習

重要なのは、難しいことを完璧に覚えることではありません。

「少しわからないことに挑戦する」

「昨日より一つできることを増やす」

という過程そのものが刺激になります。

趣味だけで認知症を防げるとは限らない

頭を使う趣味が認知機能の維持に役立つ可能性はありますが、特定の趣味をすれば認知症を確実に予防できるとはいえません。

認知症には、年齢、遺伝、生活習慣病、聴力、運動、社会的交流など、さまざまな要因が関係します。

趣味は、運動、会話、学習、生活管理などを増やす一つの手段として考えましょう。


理由③ 人との交流が増える

定年後は、職場の人間関係が一度に減ることがあります。

趣味は、新しい人間関係をつくる入口になります。

例えば、

  • 地域の体操教室
  • 写真サークル
  • 囲碁・将棋クラブ
  • コーラス
  • 語学教室
  • 料理教室
  • ボランティア
  • 市民農園
  • オンラインコミュニティー

などです。

WHOは、社会的孤立や孤独が身体・精神の健康、生活の質、寿命に深刻な影響を与えると説明しています。また、高齢者にとって意味のある社会活動は、心の健康、生活満足度、生活の質を高め、抑うつ症状を減らす可能性があるとしています。

共通の話題があると会話しやすい

新しい人間関係を一からつくるのは、簡単ではありません。

しかし、同じ趣味を持つ人同士なら、

  • どの道具を使っているか
  • どこで活動しているか
  • どの作品が好きか
  • どうすれば上達するか

といった共通の話題があります。

無理に自分の経歴や家庭事情を話さなくても、趣味を通じて自然に会話を始められます。

一人で楽しむ趣味にも交流は生まれる

読書や写真、家庭菜園など、一人で行う趣味でも、

  • 感想を家族に話す
  • 写真をSNSに投稿する
  • 作品を展示する
  • 野菜を近所に分ける
  • ブログで情報を発信する

ことで、人とのつながりが生まれます。

趣味は「一人で楽しむもの」と「みんなで楽しむもの」に完全に分かれているわけではありません。

無理に大人数へ参加しなくてもよい

人付き合いが得意ではない方が、大人数のサークルへ無理に入る必要はありません。

  • 家族と月1回出かける
  • 友人と二人で散歩する
  • 店員と短く会話する
  • オンライン講座に参加する

といった小さな交流でも、社会との接点になります。

理由④ ストレスや孤独感をやわらげる

仕事を辞めた後には、自由が増える一方で、

  • 役割を失った寂しさ
  • 収入への不安
  • 家族関係の変化
  • 老後への心配
  • 体力低下への不安

を感じることがあります。

好きなことに集中する時間は、悩みから少し距離を取る機会になります。

「楽しい時間」が気持ちを切り替える

趣味をしている間は、

  • 次は何をしよう
  • どの色を使おう
  • どこへ行こう
  • どうすれば上達するだろう

と、目の前の活動に意識が向きます。

問題が完全になくなるわけではありませんが、考え続けて疲れる状態から、気持ちを切り替えやすくなります。

 創作活動は感情を表現する方法になる

絵画、音楽、書道、俳句、写真、文章などは、言葉にしにくい気持ちを表現する手段にもなります。

上手かどうかよりも、

  • 自分の感じたことを形にする
  • 自分だけの作品をつくる
  • 完成したものを眺める

という経験に意味があります。

強い落ち込みは趣味だけで解決しない

趣味を始めても、

  • 気分の落ち込みが長く続く
  • 何をしても楽しめない
  • 食欲がない
  • 眠れない
  • 自分を強く責める
  • 生きている意味がないと感じる

場合は、心身の不調が隠れている可能性があります。

趣味だけで解決しようとせず、かかりつけ医や精神科・心療内科、地域の相談窓口などへ相談してください。

理由⑤ 生活リズムが整う

仕事をしていた頃は、出勤時間や休日によって生活のリズムがつくられていました。

定年後に予定がなくなると、

  • 起床時間が遅くなる
  • 朝食を抜く
  • 昼間に長く眠る
  • 夜更かしする
  • 曜日の感覚がなくなる

ことがあります。

定期的な趣味があると、生活に予定が生まれます。

「何曜日に何をする」が生活の軸になる

例えば、

  • 月曜日は図書館
  • 水曜日は体操教室
  • 金曜日は家庭菜園
  • 日曜日は写真撮影

という予定があれば、その日に合わせて、

  • 起きる
  • 着替える
  • 食事をする
  • 外出準備をする

という行動が生まれます。

朝に行う趣味は生活リズムを整えやすい

朝の散歩、ラジオ体操、庭の手入れ、写真撮影などは、起床時間を整えるきっかけになります。

ただし、夜に行う音楽鑑賞や読書も、適切な時間に終えれば気持ちを落ち着ける習慣になります。

趣味の種類よりも、毎日の生活に無理なく組み込むことが重要です。


理由⑥ 達成感と自己肯定感が生まれる

定年後は、仕事で得ていた評価や達成感が減ることがあります。

趣味には、自分で目標を決め、自分のペースで達成できる良さがあります。

例えば、

  • 本を1冊読み終えた
  • 野菜を収穫できた
  • 曲を最後まで弾けた
  • 5キロメートル歩けた
  • 写真をきれいに撮れた
  • 作品を家族に喜んでもらえた

といった小さな成功体験です。

他人と比べなくてもよい

趣味は競争ではありません。

初心者が経験者と比べて落ち込む必要はありません。

大切なのは、

  • 先週より少しできた
  • 新しいことを一つ覚えた
  • 今日も続けられた

という自分自身の変化です。

完成品が残る趣味は成果を感じやすい

次のような趣味は、成果を目で確認できます。

  • 絵画
  • 書道
  • 手芸
  • 木工
  • 写真
  • 園芸
  • 料理
  • ブログ
  • 動画制作

作品や記録が増えると、「自分が積み重ねてきたもの」が見えるようになります。


理由⑦ 生きがいと役割につながる

趣味は、最初は自分だけの楽しみでも、続けるうちに役割へ発展することがあります。

例えば、

  • 写真を地域広報へ提供する
  • 野菜を家族や近所へ届ける
  • 手芸作品を寄付する
  • 子どもに将棋を教える
  • 観光地を案内する
  • ブログで経験を伝える
  • ボランティアで技術を生かす

といった活動です。

東京都健康長寿医療センターは、高齢者の社会参加や社会貢献を、自分自身の健康維持だけでなく、地域での支え合いや多世代共生につながる重要な活動として研究しています。

生きがいは大きな使命でなくてよい

生きがいというと、

「社会のために大きなことをしなければならない」

と考えるかもしれません。

しかし、生きがいは、

  • 朝の花の手入れ
  • 孫との会話
  • 次の旅行の計画
  • 毎週の囲碁
  • 好きな本を読む時間

でも構いません。

「明日もこれをしたい」と思えるものが、生活の支えになります。

H3-2 誰かの役に立つと趣味は深まりやすい

人に教えたり、作品を渡したり、活動を手伝ったりすると、

「自分の経験が役に立った」

と感じられます。

それが新しい役割となり、趣味を続ける意欲につながります。


定年後に趣味を持たないとどうなる?

趣味がないこと自体が、すぐに健康問題を起こすわけではありません。

何もしない時間を楽しめる方もいます。

ただし、趣味だけでなく、仕事、家事、地域活動、人付き合いなども少ない状態が続くと、

  • 外出が減る
  • 座る時間が増える
  • 人と話さなくなる
  • 食事時間が乱れる
  • 体力や意欲が低下する
  • 孤独を感じる

可能性があります。

厚生労働省の介護予防情報では、社会参加を含む「通いの場」への参加者に、要介護状態になるリスクが低い傾向を示した地域研究が紹介されています。ただし、参加だけで要介護を必ず防げるという意味ではありません。

重要なのは、立派な趣味を持つことではなく、定期的に体や頭を動かし、人や社会と何らかの接点を持つことです。


健康につながりやすい趣味の5分類

健康のために趣味を選ぶ場合は、次の5種類を組み合わせるとバランスがよくなります。

体を動かす趣味

  • ウォーキング
  • 登山
  • 水泳
  • ゴルフ
  • 卓球
  • ダンス
  • 園芸
  • 家庭菜園
  • サイクリング
  • 旅行

期待できること

  • 運動不足の解消
  • 筋力・体力の維持
  • 外出機会の増加
  • 気分転換

頭を使う趣味

  • 読書
  • 囲碁
  • 将棋
  • 麻雀
  • 語学
  • 資格学習
  • パソコン
  • プログラミング
  • 楽器
  • 旅行計画

期待できること

  • 新しい知識
  • 考える機会
  • 記憶や判断の刺激
  • 達成感

手を使う趣味

  • 手芸
  • 木工
  • 書道
  • 絵画
  • 陶芸
  • 料理
  • 模型
  • 折り紙
  • 園芸
  • 楽器

期待できること

  • 手指を使う
  • 集中する
  • 作品が残る
  • 人に贈れる

人と交流する趣味

  • コーラス
  • 地域サークル
  • ボランティア
  • 語学教室
  • スポーツ
  • 囲碁・将棋クラブ
  • 旅行グループ
  • 市民農園
  • オンライン交流

期待できること

  • 会話の増加
  • 孤立予防
  • 新しい人間関係
  • 定期的な外出

一人で落ち着いて楽しむ趣味

  • 読書
  • 音楽鑑賞
  • 映画鑑賞
  • 写真
  • 散歩
  • 釣り
  • 書道
  • 絵画
  • ブログ
  • 家庭菜園

期待できること

  • 自分のペースで楽しめる
  • 気分転換
  • 集中する時間
  • 一人時間の充実

一つの趣味が複数の分類に入ることもあります。

例えば家庭菜園は、体を動かし、頭と手を使い、収穫物を人に渡せば交流にもつながります。

H2-12 趣味が見つからない人の探し方

「趣味を持ちましょう」と言われても、何をしたいかわからない方は少なくありません。

その場合は、無理に趣味の名前を決める必要はありません。

子どもの頃に好きだったことを思い出す

次の質問を考えてみましょう。

  • 子どもの頃、何をして遊んでいたか
  • 学校で好きだった教科は何か
  • 若い頃、時間があればしたかったことは何か
  • 仕事で得意だったことは何か
  • 人からよく褒められたことは何か

例えば、

  • 図工が好きだった → 絵画、木工、陶芸
  • 地理が好きだった → 旅行、街歩き、歴史巡り
  • 文章を書くのが好きだった → ブログ、日記、俳句
  • 人に教えるのが得意だった → ボランティア、講師活動

というように広げられます。

「見る」ことから始める

いきなり道具を購入したり、教室へ申し込んだりする必要はありません。

まずは、

    • 展示会を見に行く
    • 体験教室に参加する
    • 動画を見る
    • 図書館で本を借りる
    • 市民講座を調べる
    • サークルを見学する

ところから始めましょう。

3回試してから判断する

 

 

  • 緊張する
  • 道具の使い方がわからない
  • 周りが上手に見える
  • 疲れる

ことがあります。

一度で向いていないと判断せず、費用や体力に無理がなければ、3回程度試してみましょう。

それでも楽しくなければ、別のものへ変えて構いません。

自分に合った趣味を選ぶ7つのポイント

ポイント1 興味があるか

健康のためだけに選ぶと、続かないことがあります。

少しでも「面白そう」と感じるものを選びましょう。

ポイント2 体力に合っているか

膝や腰に不安がある方が、いきなり登山や長距離ウォーキングを始めるのは危険です。

体調に合わせて負担を調整できる趣味を選びます。

ポイント3 予算内で続けられるか

最初から高価な道具を購入する必要はありません。

レンタル、中古品、無料体験、自治体講座などを活用しましょう。

ポイント4 通いやすいか

教室が遠すぎると、移動が負担になります。

徒歩圏内、公共交通機関で行ける場所、オンライン講座なども検討しましょう。

ポイント5 一人か仲間と行うか

一人の時間が好きな方と、人と交流したい方では、向いている趣味が異なります。

自分の性格に合った参加方法を選びましょう。

ポイント6 成果を求めすぎないか

資格、作品展、大会などを目標にすると意欲が高まる一方、負担になることもあります。

楽しむことを最優先にしましょう。

ポイント7 安全に続けられるか

転倒、熱中症、交通事故、道具によるけがなどの危険を確認します。

持病がある場合は、必要に応じて医師へ相談しましょう。

お金をかけずに趣味を始める方法

趣味にはお金がかかると思われがちですが、費用を抑えて楽しめる方法もあります。

無料・低予算で始めやすい例

  • 散歩
  • 図書館での読書
  • ラジオ体操
  • 日記
  • 俳句
  • 折り紙
  • 写真撮影
  • 公園巡り
  • 神社・史跡巡り
  • 無料動画での学習
  • 自治体の講座
  • 地域ボランティア

費用を抑える工夫

  • 道具は最初からそろえない
  • レンタルを利用する
  • 中古品を購入する
  • 図書館を利用する
  • 自治体の施設を使う
  • 無料体験に参加する
  • 家にある物を活用する

高額な契約や道具の購入は、活動を何度か試してから判断しましょう。

趣味を長く続けるコツ

H3-1 小さく始める

最初から毎日1時間行う必要はありません。

  • 10分散歩する
  • 本を5ページ読む
  • 写真を1枚撮る
  • 楽器を5分触る

といった小さな行動から始めます。

曜日と時間を決める

「時間があるときにしよう」と考えると、先延ばしになりがちです。

「火曜日の午前中は図書館」

「夕食後に15分練習」

というように決めましょう。

記録を残す

  • 日記
  • 写真
  • カレンダー
  • 歩数
  • 作品
  • 読書リスト

などを残すと、積み重ねを確認できます。

仲間をつくる

一人で続けにくい場合は、

  • 家族に報告する
  • 友人を誘う
  • 教室へ通う
  • SNSへ投稿する

ことで継続しやすくなります。

休んでもやめたことにしない

体調や家庭の事情で休むこともあります。

数日、数週間できなかったとしても、再開すれば問題ありません。

毎日続けることより、長い期間にわたって戻ってこられる趣味を持つことが大切です。


趣味を健康づくりにつなげる組み合わせ方

一つの趣味だけですべての健康課題を補う必要はありません。

異なる特徴を持つ趣味を組み合わせる方法があります。

組み合わせ例1

ウォーキング+写真

  • 体を動かす
  • 外出する
  • 季節を感じる
  • 写真を整理して頭を使う

組み合わせ例2

家庭菜園+料理

  • 体を動かす
  • 収穫の楽しみがある
  • 食事へ関心を持つ
  • 家族へ料理を振る舞える

組み合わせ例3

読書+読書会

  • 一人で集中する
  • 新しい知識を得る
  • 感想を話す
  • 人と交流する

組み合わせ例4

楽器+地域イベント

  • 指と頭を使う
  • 練習目標ができる
  • 仲間と活動する
  • 人に喜んでもらえる

組み合わせ例5

旅行+ブログ

  • 歩く
  • 計画を立てる
  • 写真を撮る
  • 文章を書く
  • 経験を人へ伝える

一人暮らしの人こそ趣味を持つ意味がある

一人暮らしでは、自分のペースで生活できる一方、会話や外出の機会が減りやすい場合があります。

趣味があれば、

  • 教室へ通う
  • 店へ道具を買いに行く
  • オンラインで情報交換する
  • 作品を見せる
  • イベントへ参加する

という社会との接点が生まれます。

ただし、人との交流が多い趣味が必ず必要なわけではありません。

一人で楽しむ趣味を中心にしながら、月に1回だけ講座や展示会へ出かける方法でも構いません。


夫婦で同じ趣味を持つ必要はない

定年後は、夫婦で過ごす時間が増えます。

共通の趣味があると、一緒に外出したり会話したりする機会になります。

一方で、必ず同じ趣味を持つ必要はありません。

  • 夫は釣り
  • 妻は手芸
  • 月に一度だけ一緒に旅行

というように、それぞれの時間と共通の時間を分けてもよいでしょう。

趣味を相手に強制せず、お互いの興味や一人の時間を尊重することが大切です。


趣味を持つ際に注意したいこと

健康状態を無視しない

胸痛、強い息切れ、めまい、関節の強い痛みなどがある場合は、運動を伴う趣味を自己判断で始めないでください。

費用をかけすぎない

高価な道具、長期契約、遠方への頻繁な旅行などが家計を圧迫しないよう、月額予算を決めましょう。

勝敗や上達に執着しすぎない

勝てない、上達しないという理由で、自分や周囲を責めるようになると、趣味がストレスになります。

人間関係を無理に続けない

趣味の集まりで人間関係に悩む場合は、別の団体へ移る、一人で楽しむ時間を増やすなどの調整をして構いません。

詐欺や高額商法に注意する

趣味の講座、投資を兼ねた会員制度、高額な健康器具、作品の買い取りなどを口実にした勧誘には注意してください。

その場で契約せず、家族や消費生活センターなどへ相談しましょう。


趣味・生きがいセルフチェック

現在の生活を振り返ってみましょう。

楽しみ

□ 毎週楽しみにしていることがある
□ 時間を忘れて集中できる活動がある
□ 次にやってみたいことがある

身体活動

□ 趣味を通じて外出している
□ 毎日少しでも体を動かしている
□ 長時間座り続けないようにしている

頭への刺激

□ 新しいことを学んでいる
□ 考えたり工夫したりする機会がある
□ 手や指を使う活動をしている

人とのつながり

□ 家族以外と話す機会がある
□ 趣味を共有できる人がいる
□ 月に数回は社会との接点がある

生きがい

□ 自分の役割がある
□ 誰かに喜ばれることがある
□ 明日や来週を楽しみにできる

チェックが少なくても、焦る必要はありません。

興味のあることを一つ試すところから始めましょう。


今日からできる「趣味探し」7日間プラン

1日目 好きだったことを書く

子どもの頃や若い頃に好きだったことを10個書きます。

2日目 興味のある言葉を調べる

散歩、写真、楽器、園芸など、気になる言葉を一つ調べます。

3日目 図書館や公民館へ行く

講座、サークル、展示会の案内を確認します。

4日目 道具を買わずに試す

家にある物や無料動画を使い、10分だけ体験します。

5日目 誰かに話す

家族や友人に「これを試してみた」と話します。

6日目 もう一度行う

最初より少し楽にできるかを確認します。

7日目 続けるか判断する

「楽しい」「もう少し知りたい」と感じたら、翌週も続けます。

合わなければ、別の趣味を試しましょう。


まとめ

定年後に趣味を持つ人が健康的に暮らしやすいと考えられるのは、趣味を通じて健康を支える行動が増えるからです。

趣味には、次の7つの働きがあります。

  1. 自然に体を動かす機会が増える
  2. 脳に新しい刺激が入る
  3. 人との交流が増える
  4. ストレスや孤独感をやわらげる
  5. 生活リズムが整う
  6. 達成感と自己肯定感が生まれる
  7. 生きがいと役割につながる

ただし、趣味を持てば必ず病気を防げる、長生きできるというわけではありません。

健康状態、食事、睡眠、病気の管理、人間関係なども重要です。

趣味は、それらを整えるきっかけになるものと考えましょう。

大切なのは、立派な趣味や特技を持つことではありません。

  • 毎朝花を見る
  • 週に一度図書館へ行く
  • 散歩中に写真を撮る
  • 家族に料理をつくる
  • 好きな音楽を聴く

という小さな楽しみでも十分です。

まずは今日、

「少しやってみたいこと」を一つ書く

ところから始めてみましょう。


よくある質問(FAQ)

Q1. 趣味がある人は本当に長生きしますか?

趣味や余暇活動を持つ高齢者に、死亡リスクやフレイル発生リスクが低い傾向を報告した研究があります。

ただし、趣味だけが長寿の原因とは断定できません。もともとの健康状態、収入、家族関係、生活環境なども影響します。

趣味は、運動、交流、脳への刺激、生きがいを増やす手段として活用しましょう。


Q2. 定年後に趣味は必ず必要ですか?

趣味という名前の活動が必ず必要なわけではありません。

家事、散歩、家族との交流、地域活動、学習など、定期的に楽しみや役割を感じられる活動があれば、それも趣味や生きがいの一つと考えられます。


Q3. 何をしても楽しいと思えません

定年直後は、仕事を失った寂しさや生活の変化から、意欲が低下することがあります。

焦って趣味を決めず、散歩や図書館など負担の少ない外出から始めましょう。

気分の落ち込みや不眠、食欲低下が長く続く場合は、医療機関などへ相談してください。


Q4. 趣味にお金をかけられません

散歩、読書、日記、写真、公園巡り、ラジオ体操、無料動画による学習など、費用を抑えて始められる趣味は多くあります。

図書館、公民館、自治体講座、地域サークルも確認しましょう。


Q5. 一人でできる趣味でも健康に役立ちますか?

一人で行う趣味でも、体を動かす、頭を使う、集中する、達成感を得るといった良さがあります。

ときどき家族に作品を見せたり、展示会へ出かけたりすると、社会との接点も増やせます。


Q6. 運動が苦手な人におすすめの趣味はありますか?

読書、書道、写真、園芸、料理、手芸、楽器、俳句などがあります。

ただし、座って行う時間が長い趣味では、定期的に立ち上がり、軽く体を動かしましょう。


Q7. 趣味は複数持った方がよいですか?

必ず複数持つ必要はありません。

一つの趣味を深めてもよいですし、体を動かす趣味と落ち着いて楽しむ趣味を一つずつ持つ方法もあります。

生活や体調に合う形を選びましょう。


Q8. 趣味の仲間とうまく付き合えません

無理に同じ集まりへ通い続ける必要はありません。

別の団体を探す、一人で行う時間を増やす、オンラインで参加するなど、自分が負担を感じにくい方法へ変えましょう。


Q9. 何歳からでも新しい趣味を始められますか?

年齢にかかわらず、新しい活動を始めることはできます。

ただし、運動を伴う趣味や屋外活動では、体力、持病、転倒リスクなどに合わせて安全性を確認してください。


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